地域:長岡市
旗竿地に建てる。
旗竿地とは?
読み方:はたざお
土地探しをしていると時々見かける「旗竿地」の表記。旗竿地とは、道路に面した部分がとても狭くなっていて、奥に広い部分を持つ土地のことを言います。
いろいろな理由で道路に面さず隣家に囲まれてしまった土地。その土地に「建物が建てられるように」付属として細い路地を土地として持たせた土地を旗竿地と言います。文字通り、旗と竿のような形状に見えるのでこの名前がついています。
「住宅を建てられるように」と書いた理由は、建物を建てる土地には多くの制限があり、そのひとつが「接道義務」。建築基準法上には「4m以上の道幅の道路に土地が2m以上の長さで接していないと家は作ってはだめ」と定められています。その目的は「建築物およびその敷地の利用の便宜、避難・消防活動の確保等を図るため」とされています。
逆を言えば、例え入り口が狭くても、旗竿上になっていれば、家を建設することはできます。
都心に比べ、比較的敷地の広さにゆとりのある新潟県内ですが、ご実家の敷地を分けて子世帯を新築される際に既存の土地を分割して旗竿地にしたという事例もよくあります。また、昔ながらの狭い街並みでの建て替えの際にも。
こちらの建物は、旗竿地のメリット、デメリット、そして敷地調査を徹底するグリーンスタイルだから旗竿地できたことなどをご紹介いたします。
旗竿地のメリット
旗竿地はリーズナブルなことが多い
まず、旗竿地のメリットは、その特殊な形状のため、「駐車がちょっと難しい」「四方を他人の家で囲まれる」ことを嫌って、土地代がリーズナブルになることが多いです。土地が安価であれば総額を抑えることや、建物に予算をまわして、こだわりを楽しむ。コスト面でのやりくりが有利になります。
旗竿地は静か
つぎに、道路から距離を取ったところでの住宅建築になるので、道路に面した土地と比べると、静かな住環境を得ることができるところです。車両の騒音、通行人の足音など。窓を開けていると気になる周囲の音から、少し遠ざかった位置に建てられることがメリットです。
旗竿地のデメリット
旗竿地、日当たりと通風に注意
デメリットは、敷地の住環境に注意が必要なことが挙げられます。建築スペースの土地が道路から奥まるため、周囲が建物に囲まれている敷地の場合、日当たりや通風が限られることがあります。
例えば、周囲を2階建て、3階建てで囲まれた旗竿地に平屋を建てるとします。建物高さが低い分、周囲の建物の陰におさまっていないか、室内への採光は取れているか、敷地内に風は通るかを特に気にする必要があります。
また、道路に面する通路上の土地が細すぎると、建築や運搬コストが割高になることもあります。
建築資材を運び込む大きなトラック、建築の際に資材を持ち上げるクレーン車といった大型車はその細い敷地部分に乗り入れることが可能か否か。小型の車両に乗せ換えて運ぶ小運搬という方法など、通常と異なる工程を踏むことで建築はできるのですが、追加料金が発生することもあることに注意しましょう。
旗竿地の建築で後悔したくない。
特殊な形状の土地だからこその、魅力と悩み。旗竿地を選んだことを後悔したくない。
住んでから後悔しない方法の1つとして、事前にその土地について、徹底的に調査をすることをグリーンスタイルはお勧めします。
光と風、お隣の窓の位置まで。その土地の周辺環境を知り尽くした上で、自邸の窓の向きや室内の間取りのプランニングをすることがとても大切になるのです。
というわけで、
グリーンスタイルの設計士が考えた心地よさで満たされた旗竿地に建つお家をご紹介します。
グリーンスタイルが考える旗竿地建築。
基本スタンスの徹底敷地調査
グリーンスタイルでは、例えどんな敷地でも、徹底した敷地環境調査を行い、その土地がもつ日当たり、通風を知った上で、建物に取り入れるプランニングを行っています。
小さくとも敷地環境のメリット見つけ、設計を工夫することで、建物にその良さをここちよさとして取り入れます。
道路に面した細い敷地から吹き込む風、隣の建物の影にならない日の当たる場所。
隣家の状況やお隣さんの庭の樹木まで。
事前に確認することで、旗竿地に建つお家を、ここちよさで満たしました。
グリーンスタイルだからできた、明るさと心地よさが自慢の旗竿地に建築したお家です。
ハウススペック
土地面積:62.96坪(208.15㎡)
延床面積:36.57坪(120.90㎡)
旗竿地のここちよさを見つける。
プライベート感を増すデッキ
旗竿地ならでは、道路から直接見えないプライバシーを確保したお庭とデッキ。
奥まったところにお家が建つ旗竿地だからこそ得ることのできた、通行の視線を気にすることなくご家族でのんびり過ごす時間。
隣地の建物高さから、季節によって変わる陽の当たる範囲を確認した設計です。唯一といえるこの空間を楽しむために、リビングの大きな掃出し窓と隣接する畳スペースにこのデッキを面させ明るさを確保しました。
お子様との日向ぼっこのスペースに。
週末のバーベキューに。
お洗濯も、お布団を干すのにもちょうどいい。
日常と非日常を、素敵な毎日を演出するスペースを見つけ出しました。
リビングを飾る、明るさ。
明るいリビングは、そこにいるだけで気持ちがいい。
陽の射す方向、エリアをきちんと確認した設計だからこそ、旗竿地でも得ることのできた明るさ、心地よさ。
たくさん取ったカウンターにお気に入りのインテリアを飾って。
小上がりタタミの使い道
畳を小上がりにすることで、リビングやウッドデッキに向かったベンチに。
段差を利用して収納も確保。お子様のおもちゃもさっと片づけられる。
小上がりスペースは、空間のアクセントと、空間を広く感じさせるデザイン手法です。
リビング部分を窓側に下る屋根なりに勾配天井にすることで、窓を向いた方向に遠近感を強め高さと広さそして南向きの窓からの光の広がりを強調させます。
床のレベル差やフラット天井。ここで過ごす人のワクワク感を広げてくれるとともに、直線的なキッチン-ダイニング-リビングの向きに対して、L字型に配置した小上がりも限られた面積で広さと奥行き感を感じさせる手法も用いて居住空間にここちよさを演出しています。
風の通り道にサンルーム。
子育てしながら、共働き。慌ただしい毎日。
洗濯物は、サンルームにまとめて干します。
大きな窓を開ければ、心地く風が通り抜ける。
風は、洗面スペースを通り抜けて、浴室まで。水回りをストレートに配置したから、旗竿地を抜ける風がまっすぐに入り込む。
気持ちいい季節は、窓を開けて過ごそう。グリーンスタイルの考える心地よさです。
ギャラリー
Produced by KANAKO MURAYAMA 村山 可奈子
GREEN STYLE Principal Architect / 村山 可奈子
出身地 / 新潟県十日町市
趣味・特技 /休日にぼーっとする、本を読む、山遊びをしたい
資格/2級建築士
得意分野 / デザイン住宅、家事動線、収納計画、シンプルデザイン…and MORE>>