新潟県内の家づくりで、現在お客様からのご要望が多いこととして「好みの土地が見つからない」という声です。グリーンスタイルのお客様の80%が土地をお探し中に声をかけていただき、土地探しからお手伝いをさせていただいています。
ご希望のエリアをうかがうなかで、時々見つけてしまうのが、
「狭小地」いわゆる「狭い土地」。
建物を建てるにもどうしたらいいか…。 ということで、今回は時々見かける「狭小地」に新築住宅を計画する際に注意してほしいことをまとめてみたいと思います。
狭小地とは?狭小住宅ならではのメリット・建築する上で知っておきたいこと
新潟市中央区や長岡のまちなか、三条市の市街地で土地を探していると、時々見かけるのが「狭小地」です。
その面積からも、お求めやすい価格であることが多いようです。道路に面した部分の長さが極端に狭くて、奥行きがやたら長い土地など、本当にここに家が作れるのだろうかと思ってしまうような土地も目にしますが、こういう土地は、生活利便性の高いまちなかで見かけることが多く、手の届きやすい価格だったりするので、どうも諦めがつかないですよね。
「狭小地」とは、簡単に言ってしまうと狭い土地のことになります。一般的に15〜20坪程度の狭い土地のことを指すことが多いようです。こういった狭小地に建った家を「狭小住宅」と呼ぶこともあります。
狭小地は、東京都内や地価が高い都市部でよく見られ、栄えていた街に多い傾向にあります。その理由は、江戸時代にさかのぼり、江戸幕府の財政難を克服するために、町人から税金を徴収しようと、家の間口(道路に面した出入り口)の大きさに対して税金がかかるような制度を作ったことに起因するそうです。そこで町人は一種の税金対策としてみんなで狭い間口で奥行きのある土地の形にしてお家やお店を作りました。その、節税タウンは現在になって、いわゆる「うなぎの寝床」のような狭小地になっていることが多いそうです。
狭小地に家を建てるメリット
こういった間口が狭い土地など、そんなに狭いところに家を建てなくてもいいのではと思うかもしれませんが、実はメリットもありますし、快適に暮らす建物を新築する方法もいくつかあります。しかしながら、注意事項もありますので、確認してみましょう。
利便性の高い土地であることが多い
新潟市中心部や長岡駅前など、生活利便性が高い場所で販売されることの多いのが狭小地です。「駅が近い」ということによるメリットは人によってとても大きいでしょう。新型コロナ以降、出勤の頻度が下がった方も多いかもしれません。家でお仕事ができて、職場に顔を出すのは月に1度程度という制度になったお仕事環境などの方は、新幹線駅から近いことはメリットになるでしょう。
小さい分コストを抑えることができる
小さい分お求めやすい価格
こういった土地の面積は小さいため、立地の割に土地の費用を抑えることができる場合があります。狭くて建築の困難性が高ければ、価格が周辺より安価になる場合も考えられます。意外なところからポッとでてきたりするので土地探しでは油断せずに探し続けましょう。
小さい分、節税になることも
小さな土地は「固定資産税評価額」が小さくなることで、毎年納めなくてはならない「固定資産税」や「都市計画税」を抑え「不動産取得税」などの必要な税金を大きな面積の土地と比較すると低減できる可能性があります。
ランニングコスト低減とメンテンナンスの容易さ
小さな土地に建つ家の建築面積も小さいくなるため、一般的には延床面積も小さなものになり、コンパクトな家になります。小さな家のメリットは、外気に触れる表面積が比例して小さくなり外壁や屋根の面積の低減。そして、表面積が小さいことによる内部からのエネルギーの漏出を少なくできます。
小さな家だからメンテナンス面積が小さい
外壁や窓、屋根などの外皮の面積が小さいので、塗替えなどの維持コストが相対的に安価になります。また、家の中や外に目が行き届きやすいサイズ感なので、家中の不具合に気づきやすいこともメリットと言えるかもしれません。
小さな家だからランニングコストが低い
エアコン等の室内の温度環境を整える装置のランニングコストは大きい家に比べて小さくできます。家事の動線もコンパクトなので、移動距離は短くなるでしょう。また、毎日のお掃除も小さな家だから楽にこなすことができます。
狭小住宅をここちよくするアイディア
狭小住宅はメリットもある一方、施工の難しさや一部の住宅会社では施工を断られてしまうことも懸念されます。特に、規格型住宅を提供している企業で、狭小地向けの適切な間取りが用意されていないは、土地にマッチするプランがないことで計画が頓挫してしまうこともあります。
グリーンスタイルでは、こういった利便性を優先した土地選びの結果の「狭小地」徹底的に調査をおこない、「ここちよく」変換していきますが、狭小地ならではの注意事項もいくつか存在しますので、グリーンスタイルが狭小地の家に取り組むときに考えるアイディアの一例を上げてみたいと思います。
1階も明るくしたい。階段を使った光の通り道のアイディア
狭小地における間取りを考えると、悩ましいのが奥と両隣が建物で塞がれているところ。家の明るさは喫緊の課題になります。特に1階はどうしても暗くなってしまいます。
それを解消する方法のひとつが、「吹き抜け」を使った明るさをつくる設計。吹き抜けをつかって2階からの明るさを1階に届けることは可能ですが、2階の限られた面積を吹き抜けにしてしまうと、居住空間が削られてしまいます。
そこで、階段を光の通り道にするのが1つの手段になります。階段は上下階に貫き上階からの光を1階に導くことを最低限の面積で可能にする手段になります。2階の明るい場所に階段を設けることで1階にも充分な明るさを確保することができるかもしれません。
2階リビングの選択肢
狭小地新築住宅。工夫をしても、一般的な宅地に建つ住宅と比べれば暗くなってしまします。そこで、寝るだけの居室を1階にしてしまい、採光のしやすい2階をリビングにすることも得策といえます。
同様に、土地への車の乗り入れが可能であれば、1階部分をインナーガレージなどをメインにして2階にリビングをもっていくことも得策ではないでしょうか。
ブログ:2階にリビングを設置するメリットと快適な居住空間にするポイント
収納を計画的に工夫する
狭小住宅で悩むのが収納の配置。経験豊富な設計に相談することをお勧めします。
限りある床面積の部屋に収納家具を配置すればさらに部屋を狭く感じてしまうことでしょう。計画的に収納を配置することで、ここちよい暮らしをえることができます。お庭など外部に物置を置く場所がないことも多いので、タイヤの収納なども忘れないで計画して下さい。
見せる収納
普段使うものやすぐに取り出したいものは見せる収納を活用。ちょっとしたニッチなども役立つ場合がありますので、検討しましょう
適大適所の収納をつくろう
グリーンスタイルがよく使う収納手法です。まんべんなく、「あったほうがいいよね」って収納を配置するのではなく、「ここにはこれをしまう!」を決めて、何を収納するのかを定めて大きさを決めた目的をもった収納を、効率のいい場所に設計する手法です。
限られた床面積は立体的に考えて上下の棚やハンガーパイプの設置まで、細やかに考えましょう。
屋根裏収納
荷物の多い方には屋根裏収納もおすすめになります。収納用の階段を付ける場所をしっかり計画をしましょう。下にデスクを置いてしまって天井階段が開けなくなってしまったり…。そして、天井裏に収納する物が小さな階段で搬入可能かもしっかりとチェックしてください。
狭小住宅を新築する前に知っておきたいこと
狭小住宅には、実際に建てるときに注意しなくてはならないことが沢山あります。建築会社がしっかりと確認すべきことなのですが、費用に直結することがあるので注意してください。
特に、担当者が現地を見ずに見積もりが出てくる会社には注意してください。あとで請求があれこれでてくる会社もあるとか…。しっかりと調査をして、詳らかに見積もりをもらえる会社を選びましょう。
狭小地で建設、敷地ギリギリに建てる技術 小さな土地で、ちゃんと住もうと思えば敷地ギリギリで建築することの多い狭小住宅。わたしたちは、こんなことに気をつけて施工の計画をつくり、お客様にお伝えしています。
そもそも建築していい場所か
場所にもよりますが、建物を建ててはいけない場所もあります。わたしたちの知っている範囲で狭小地で建築できないケースとしては下記の2点。
- 道路に4m以上の幅で面していない土地(接道義務を満たさない土地)や再建築不可の建物を解体した土地
- 高さ2M以上の擁壁がある場合や、傾斜地
などが挙げられます。
他にも注意点として、下記は考慮しておいたほうがいいでしょう。
防火地域などで建築コストが上がる
街の真ん中で、建物が密集しているようなエリアは火災の延焼を防ぐため、火事に対して強い家が求められ、窓や壁などの性能を強化する必要があり高額になってしまいます。
インフラにも注意。
狭小地に多いのが、インフラのトラブル。前に誰かが住んでいた建物があったからといって、油断せずに、しっかりと調べましょう。
水道や下水の土地への引込がお隣と一緒になっていたり、隣の敷地を通過していたり。近隣の家の光ケーブルや電線が土地の上を通過していたり。後々のトラブルを考えてしっかりとインフラの状態の確認は必須です。
建築資材の搬入経路を計画できるか
狭小地に多いのが、柱や窓、壁材や屋根材をはじめとした建築資材の搬入ができる広さの通路が確保できるか否かがポイントになります。トラックを近くに停めてクレーンを使えないような場合は、近隣からマンパワーで運ばなくてはならないため、時間とコストがかかってきます。
また、運搬車両を停車しておけないような道路などの場合、近隣にもご迷惑をおかけすることが多いため、事前の申請(道路使用許可)も必要になることや、安全のため誘導員の配置が必要になることも多いので、しっかりと確認をしておきましょう。
隣の建物と建築足場
狭い敷地目いっぱいに建物の計画を行うと、建設を行うための足場の設置もお隣の敷地や家のギリギリになることが多くなります。場合によっては許可をもらって、お隣の土地を借りて足場を作らなくてはいけないこともあります。そのため、お隣の家の状態は確認して状況を保管しないと、思わぬトラブルになることもあります。このあたりは、経験のある建築業者を選ぶほうが得策とも言えます。
怠ると痛い工事前後のあいさつ
工事にあたってあいさつは大事。ドライな関係の昨今、工事挨拶を行わない会社もあると聞きますが、新築住宅の建築工事は、工事の音や車両や人の出入りで絶対にご迷惑をおかけします。特に、お隣やご近所との距離が近く、古くからの街として近所付き合いの濃い面も持ち合わせた「狭小地」では必須とも言えるでしょう。ですので、都度都度の近隣へのご挨拶と説明は大切です。せめて、しっかり挨拶をできる建設屋さんを選んでください。
現場がきれいなことと、現場で事故がないこともえ大事です。工事が終わった後、お住まいになるお客様の気持を考えて工事をできる会社かどうかが決め手です。工事に入る前に近隣に一緒に挨拶してくれる会社を選びましょう。
まとめ
狭小地における新築住宅の建築。立地的なメリットや土地の価格面でのメリットも沢山ありますが、経験豊富な設計・工事の業者さんが計算しないと、余計な費用が多いことも多いのが事実です。
「こういった土地での建築はできません」と断られる会社様もあると聞きますが、これはまだいいほうで、あとから、「誘導員の費用を下さい」とか、「インフラの調整費用がひつようでした」などというケースもお聞きします。ほとんどの場合、施工に入ってからのそういったトラブルは、施主様が泣き寝入りすることが多くなってしまうのも事実です。
設計も施工もスキルの必要な狭小地は、調査から施工まで一貫した調査と施工ができる会社を選んでいただければ安心です。
また、設計面でも暗くならない工夫や風を通す手法など、家を長持ちさせること。毎日の生活が困難なことのないような動線の計画などもとっても大事になります。
グリーンスタイルでは、豊富な経験を元に複数の設計士で狭小地に望みます。調査から施工まで、調べて、かかる費用や手続きは全てお伝えします。そして、事故がおこることがないように安全に施工を行います。
大丈夫かなぁ?ってお感じになられましたら、是非、ご相談下さい。
新潟の狭小対応新築住宅実例
狭小地。建物を建てるには不利なことも多いですが、グリーンスタイルは、ここちよい暮らしができる家を考えます。