「2階リビング」
時々聞くことのあるこのワードですが、文字通り、一般的には1階に配置を設計することの多いLDK(リビング・ダイニング・キッチン)などを2階に設置設計する手法です。建設地によっては絶大な効果を発揮する2階リビングですが、気をつけなくてはいけないことも。
こちらの記事では、目的を持った2階リビングの設計やのメリットやデメリットをご紹介いたします。
目 次
2階リビングのメリット
それでは、最近人気の高まっている2階リビングのメリットを紹介します。
新築住宅を建てる場所を優先し、「駅が近い」「職場が近い」「子どもの学校が近い」「買い物がしやすい」など利便性の高い立地を優先して土地を探した場合は、概ね市街地中心部が選定されていきます。
高利便性である新潟市や長岡市、三条市などの建物の混み合った場所におうちを計画する場合には
「狭い」「暗い」「車を置けない」という設計上の問題点がいくつかできてしまいます。
その一部を解消できるのが2階にリビングを配置するという設計になります。
日当たりを良くして、眺望を作れる
一般的には1階に配置する2階にリビングを移動することで、家族みんなが過ごす空間であるリビングやダイニングは日照を得やすくなります。隣の建物の影を避けて少しでも陽の光を得やすい上階への移動はメリットも大きいでしょう。
加えて、リビングの窓からの景色が改善されることもあります。混み合った土地の一階、窓の外には駐車した車の姿しか見えないリビングから脱却して2階の景色を作り出すメリットは大きいとも言えます。
こうして作り出される明るい空間と窓からの景色は、2階リビングならではの暮らし方になります。また、グリーンスタイルでは眺望が期待できる立地ではあえて二階にリビングを設置する方法で、毎日の暮らしを豊かにする手法で提案する場合もあります。海が見えたり、山が見えたり。公園の木々を眺めることができるような素敵な暮らし方のご提案です。
プライバシーが確保できる
リビングに配した窓が道路に面していないだけで、リビングの中の自由度は大きく変わります。混み合った市街地の1階にリビングを置くと、前の道路を通る人の目も気になるので、カーテンを締め切って過ごすことがどうしても多くなりがちです。これも暗くなる原因のひとつなのですが、リビングを2階にすることで、道路を往来する人を気にすることなく窓を開けることもでき、家族のプライバシーを守ることも可能になります。
裸で家の中をウロウロすることはないかもしれませんが、往来する人を気にして自由にできないのでは、せっかくの家がつまらなく、窮屈に感じてしまいますので、外からの視線を遮断してプライバシーを確保することは大切なことになります。
耐震性が高まる
こちらは、どちらかというと「居住空間を考えた2階リビング」でできた副産物になりますが、「耐震性」の向上を期待することができます。
リビングのようなみんなで過ごす「広い空間」をつくるとどうしてもその空間の「柱」の本数は減少しますし、壁は少なくなります。この空間を上階である2階に設計したことにより、広い空間の上部の負荷は軽減されます。逆に、壁や柱の多い小さな居室などの従来は2階にあったお部屋を1階に設置するため、総合的に、1階には柱や壁が多く、2階に柱や壁が少なく軽量という地震の揺れに対して効果的な構造を取ることができることは地震の多いエリア新潟県でも大きなメリットとになると思います。
駐車スペースを確保できる
新潟県内の家づくりでは車を停めることができるスペースは必須といっても過言ではないでしょう。ご夫婦で1台ずつ車を置く場所は実に敷地面積を専有します。敷地への乗り入れが簡単な場合で1台あたり約4坪必要と言われています。2台合わせると8坪の面積が必要で、敷地面積が40坪だった場合は残り32坪にお家を配置する必要があり、市街地の土地で敷地面積が狭ければ、駐車場が専有する割合は大きくなってしまいます。また1階にリビングがあれば、窓から見える景色は隣の家か車のトランクです。車に押されたリビングは広さの制約で暮らしにくくなってしまうかもしれません。
駐車スペースを「インナーガレージ」や「ピロティ」にしてリビングなどの長時間居住する空間を2階にすることで広さを確保できるのは大きなメリットになります。
2階にリビングを配置するデメリット
ここまでは、2階をリビングにするメリットをお伝えしてきましたが、実は、気をつけなくてはいけないことも数点ありますので、確認してみて下さい。
毎日2階に上がるのが億劫になる
リビングが2階にあるため、主に過ごす空間も2階になります。帰宅後の一連の動作に必ず「2階に上がる」というプロセスが発生してしまいます。そのため、年齢を重ねると毎日の上り下りが辛くなってしまうことも考えられます。
対策としては、2階に登ったら登ったまま生活ができるようにすることで、上り下りの回数は軽減できます。例えば、浴室やトイレ、主寝室やメインクローゼットも2階に持っていくことなどを考えることができるのではないでしょうか。
また、この毎日2階に上がる所作が、暗くては更に苦痛になってしまうかもしれません。階段の利用頻度は高いのでできるだけ階段は明るくすることも大切です。これは、階段での転倒事故を防ぐことにもなりますので、帰宅する時間帯である夜間の階段の明るさも気にしたほうがいいでしょう。
とはいえ、完全な「老後」を考えると生活は難しく、介護や車椅子などを視野に入れれば2階リビングは致命的に使いにくくなるかもしれません。
コミュニケーションが取りにくい場合がある
30年前の子どもたち(わたしたち)とは少し雰囲気の違う現代の子どもですが、「部屋にこもる頃」があるのは変わらない事実でしょうか。わたしたち(40代後半)の若かりし頃は、両親に内緒で夜中にそっと静かに見つからないように出かけることなんかもありました。現代のお子さんですと、ずっと部屋にこもって携帯ゲームやパソコンでインターネットに向かってしまうなども考えられますね。
少し話は逸れてしまいましたが、お子様のお部屋が1階にあると、両親の目に触れずに過ごすことができてしまいます。そっと帰って、そっと出ていく。お子様の個性でもありますが、見守りたい時期がやってきたときに見てあげることができないかもしれません。お子様の個性や年頃を見極め、その年頃になる前のコミュニケーションが大切になるかもしれませんね。
夏場の暑さに注意
ついで、建物の性能面でのお話になります。当然ですが2階リビングはリビングから屋根の距離は短いです。つまり、近いです。また、子供部屋などにはあまり採用しない、過ごす時間の長くなるリビングならではのデザイン。屋根勾配に合わせた勾配天井や吹き抜け、採光のために高い位置に窓をデザインすることが多くなります。直接日照のある屋根の近くで過ごす2階リビングには、それなりの断熱性能が必要になることは言うまでもありません。
現在の住宅性能を考えればどこの建築家さんでも心配は必要ありませんが、実績などをしっかり確認したほうが良いと思います。
2階リビングの家を快適にするため、気にしてほしいことまとめ
いかがでしょうか。二階リビングにはメリットもデメリットもありますが、期待する効果である、狭小地や建物が建て込んだ場所ではそのメリットを活用した家づくりには有用性は非常にあります。ややこしいことは考えずに設計士に相談していただければと思いますが、気になることはしっかりと設計士にお話してみて下さい。設計の工夫で解消できることがあります。
デメリットを解消する例
子どもの成長をしっかりと見守りたい場合は、2階のリビングに面して子供部屋を2階に設置する考え方も有効です。歳をとってからの2階への行き来がきになるようであれば、浴室やトイレも2階に設置してしまうのはいかがでしょう。端的には全てを2階にあげてしまえばいいのですが、それは流石に少し難しい。
こういった面でお悩みであれば、是非、グリーンスタイルの設計士にご相談下さい。
窓の向きと断熱性能を考える
暑くならなくて、メリットを活かして快適にするための窓の配置。広さを意識してつくる勾配天井などの性能面など、安心できる設計ができる会社を選ぶことが得策です。
特に、おすすめなのは当社のように設計と施工を同じ会社で行う会社です。
例えば、窓を1つ取っても、その窓が、採光目的なのか、通風目的なのか。設計と施工が同一の組織だから設計がお客様との打ち合わせで決めたことの目的と意図を継いで、現地で確認してフィードバックすることができるという利点があるからです。
グリーンスタイルの場合は、設計士が敷地調査の段階で場合によってはドローンも使いながら、眺望を確認し、設計を行う。明るさを確保し、眺望を考えた窓の配置って設計ご提案をいただき、そのうえで施工段階で現地で確認したところ、窓位置をすこしずらすことで日陰を避け、眺望がよくなるなどのフィードバックを得られることが利点になります。
ということで、2階リビングの家の計画には注意点はあるものの、市街地などの混み合った土地での建物や、眺望を確保できるなどの面でメリットの多い家をつくることが可能です。
いずれにせよ、老後などの将来設計まで考えてくれる、信頼できる設計と、場合によっては狭小地が対象となるため、安全に施工できる業者選びがとっても大切になります。
ここちよく暮らすため。
グリーンスタイルの設計士は、敷地調査に心血を注ぎ、お客様の声に耳を傾け、ご家族の未来を一緒に考え、安全で安心な施工。長期の保証とサポートでお客様の家づくりと住んだ後の快適な暮らしをつくります。