地域:新潟市 北区
旗竿地に新築する。
土地探しから始めた家づくり
土地探しから始められた住宅の新築。
ご夫婦は、まず、新しい暮らしをスタートする街、つまりエリアを選ぶことから悩まれておられました。
都市機能が集中し、お買い物や公共交通の利便性の良いエリアにするか。
都市エリアから少し離れた、閑静で頼れる身内が近くにいるエリアにするか。
ご夫婦でよく話し合われて、都市エリアから少し離れたエリアを選択されました。
新潟市北区のこのエリアの土地価格は、商業エリアから少し離れた分、価格がお求めやすくなりました。
さらに、ご夫婦が選ばれたのは旗竿地。
旗竿地は、特殊な形状の土地で、四方を他の家で囲まれるため、通風や採光はどうか、駐車は容易にできるかなど、気にすべきポイントが多いです。
そのため、面積が広くても、場合よっては周辺より土地の価格がリーズナブルになる場合があります。
こちらは、73坪という広さ。確かに、考えていた土地よりも広く、おもとめやすい土地でした。
住宅の新築にデメリットが多いイメージの旗竿地。しかし、わたしたちグリーンスタイルでは旗竿地をはじめとした変形地での建築実績が多数あります。
グリーンスタイルの設計士は、徹底した敷地環境調査を行い、周囲の建物の高さや、窓位置、さらに光と風の入り方など、旗竿地に関わる様々なことを調べ、この旗竿地がもつ良いところを見出したうえで、間取りを作成しご提案しました。
この旗竿地の魅力を活かした間取りは、旗竿地に抱いていた不安を払拭していただくとともに、このここちよさをご夫婦に共感していただくことができました。
(このような利点からも、設計士と一緒に土地を探すことはおすすめです。)
こうして、決定された土地。次は、ここちよく暮らしのための「家」づくりのはじまりです。
住宅性能を重視する
耐震等級2相当・制震装置ミライエ・ZEH相当
ご夫婦は、土地価格を抑えた分、建物に予算をまわされました。
広い土地に、希望の部屋数や間取りを取り入れることはことはもちろん、建物の性能を向上したいとご希望されました。
地震に備える
地震の多い日本。地震のリスクは避けられません。新潟県内も、中越地震、中越沖地震、そして能登半島地震と大きな地震を経験しています。
だから、地震に対する備えはとても大切。大切なご家族を守るため、耐震等級2相当になるよう設計し、制震装置MIRAIEを採用しました。
耐震とは
耐震は、揺れに耐えるために建物の強度を上げることです。耐震等級2とは、建築基準法で定められた耐震等級(つまり耐震等級1)の1.25倍の耐震性です。地震の際の避難所となる学校などの公共施設も、この基準を満たしています。
制震とは
制震は、特殊な装置を用いて、建物の揺れを吸収することです。今回採用した制震ダンパーMIRAIE(ミライエ)は、繰り返す揺れに効果を発揮する制震技術を持つ装置です。能登半島地震の余震回数は、10日で1200回を超え、中越地震の余震の回数を大きく上回っていたそうです。
震度6強の大きな地震1回で建物が倒壊しないよう定められた耐震の基準と、繰り返す余震に対する制震装置を持つ建物。建物の性能を向上して、ご家族のここちよい暮らしを守ろうというご夫婦のご希望を、住宅設計という形で仕上げました。
ZEH相当で環境にもここちよく
ZEHとは、かみ砕いた言い方をすると、家庭で使用するエネルギーと同じ、または、それ以上に家庭でエネルギーをつくる住宅のことです。
こちらのお家では、断熱材や窓の性能を高め、省エネタイプのエアコンや高効率な給湯システム、消費電力の少ないLED照明などを導入して、使うエネルギーを徹底して抑えています。高機能の仕様、設備や機器にすることで、建築コストはかかりますが、よりここちよく暮らせる住環境とすることができます。これから長く続く暮らしを考えると、環境はもちろん、暮らすご家族にもここちよいお家としました。
趣味をここちよく暮らすこだわりの新築
インナーガレージで工作
旗竿地の竿、通路部分の先に構えるインナーガレージ。車1台を停めても、まだゆとりのある広さ。このゆとりのスペースはご主人が、趣味の工作をするスペースです。いわゆる、俺の基地。ガレージの奥、上部に照明を取り付けて、1.3m手前までが作業スペースです。
通常、インナーガレージ内の床面は、水勾配と言って、外に向かって微かに勾配をとります。でも、この作業スペースまで斜めになっていては、椅子や机を置いた際にがたついたり、物が転がってしまい作業に集中できません。そこで、作業を楽しんでもらうために、奥側のこのスペースだけ床をフラットに仕上げました。作業中の換気と採光のために小さな窓を設け、壁の一部に下地をいれているのでこれからDIYで色々と工夫していけます。グリーンスタイル設計士は、細かな配慮と建築的工夫を施すことで、初めての建てる新築住宅でよりここちよく暮らしていただけるようサポートしています。
本が好き
本をたくさんお持ちのご夫婦。2階ホールの書斎前にも本棚を設けました。ここは、本を収納し、飾る場所。そして、子ども部屋に出入りする際に目に留まる場所。自然と本に触れ合ってほしいというご夫婦の願いが込められている間取りです。そこに、グリーンスタイルの設計士の設計力をプラス。お子さまの遊び基地をイメージして、廊下幅より少し広く、3方が囲まれた印象になるよう設計しました。設計士自身の子育て経験から、子どもは籠れる場所が好き、本に触れ合う機会を増やしてあげたい、という設計士自身の子育て経験を活かしています。
家でもお仕事
ホールの本棚に対して、書斎はご主人がメインのスペースです。ご自宅でお仕事をされることもあるご主人のテレワークスペース。籠って、仕事に集中される場所です。でも、ドアの向こうで、楽しそうに絵本を読むお子さまの声が聞こえたら…少しだけ、仕事の手を止めて、お子さまと一緒に絵本を楽しんでしまうかもしれませんね。
回遊動線
奥の家族用玄関へと続く玄関の土間スペース、斜めに設けた框と、ひな段形状にした階段が、玄関とホール全体をより広く感じさせています。
この玄関からリビングへはもちろん、洗面室を経由してキッチンへも行ける回遊動線を採用しています。帰宅したら、リビングに入る前にまず手洗いが当たり前となったいま、スムーズに回れるよう配置された動線は、小さなお子さまもラクラク、習慣となるよう、願い設計しています。
また、キッチン-ランドリールーム-ファミリークロークを回遊する動線も使い勝手よく魅力的です。キッチンで朝ごはんを作りながら、洗濯機のスイッチON。ファミリークロークからリビングに、お子さまと一緒にお着替えを選び持っていく。あれをしながら、これもできる、効率的にスムーズに動きまわれる動線設計は、グリーンスタイルの設計士の経験と、ご家族のご意見を落とし込んだ間取りです。
旗竿地のデメリットをメリットに転換する窓配置
敷地調査の結果として、隣家の窓を避けるように建物を配置し、さらに窓位置を徹底的に考えました。
2階の居室における、窓の使われ方。明るさの確保。それらを隣家の窓位置と重複することのないように、配置することで、旗竿地とは思えないような開放的な家づくりを可能にしています。むしろ、隣家同士、庭の部分を狙った窓の効果で一般的な分譲地よりも明るい子ども部屋ができています。
ギャラリー
Produced by TSUYOSHI ASANO 朝野 剛
GREEN STYLE Principal Architect / 朝野 剛
出身地 / 富山県
趣味・特技 / 山登り
資格/1級建築士
得意分野 / 狭小住宅、スキップフロア、吹抜、アーチや木のデザイン…and MORE>>