地域：新潟県新潟市東区
小さく見えて内も外も大きく使う家
新潟市東区の住宅地の中にそっと紛れ込んだ白い家。その外観からはとてもコンパクトな外観だが。たっぷりと奥へと伸びる建物だ。縦半分に割り、庭を設けて奥行きをたっぷりとることで、住宅地での日照をしっかりと家に取り込むことが一つのコンセプト。奥に伸びる庭に風も緑も集め、リビングなどの庭に面した建物全体にいきわたる光が特徴的な建物。市街地で、人も自然の一部なのだと感じながら心豊かになる建築実例だ。
実は、区画整備がしっかりされた住宅地での建築には建物の配置や窓の位置などに難しいところが多く、しっかりと工夫が必要になる。例えば、南面に道路が面していたほうが明るい。なんて言われるが、自動車社会の新潟県では、駐車スペースが南に行き、大きく計画したリビングの窓からは車しか見えないなんてことも起こってしまうのも現実だ。
こちらの家は、南西向きに道路を向けた敷地。単純に道路向きに駐車場を取れば、窓からは車しか見えなくなってしまう。
そこで、設計士の提案は建物を敷地の北側に寄せ、道路際から後ろまで長細く伸ばす配置をとった。そこで出来上がったのが、南東面に幅広くたっぷりと庭を残し、加えて駐車した車が庭で過ごすときの目隠しになるという手法だ。もちろん、南東隣の家の窓が少ないことも織り込んだ計画。徹底した敷地調査で導き出した答えだ。
夜、家は宙に浮いたように
夜になると2階部分が白く浮き上がるような可愛らしいエクステリアが特徴。正面、木目の外壁の上部にはフロストガラス（すりガラス）を1枚貫いて配置することで、上部の白い三角屋根が宙に浮くようなインパクトのある外観になっている。
実は、このフロストガラスは、日中は北側にある玄関の採光の役割を果たしているが、設計士はその角から柱を外すことで浮遊感のある不思議な外観を釣りだしている。
庭からの光が注ぐリビング
東西を貫くように建物を配置。南側の庭にはしっかりと光が注ぎます。
住宅地における建物の配置計画は、とても重要なこと。グリーンスタイルは、建築地の敷地をしっかりと調査して建物の配置を行い、設計に入ります。隣の家の窓位置ももちろんしっかりと考慮するので、この家の場合はカーテンを開けっ放しにしても隣家を木にする必要がありません。存分に明るい庭を楽しみ、リビングの明るさを堪能することができるのです。
Produced by TSUYOSHI ASANO 朝野 剛
GREEN STYLE Principal Architect / 朝野 剛
出身地 / 富山県
趣味・特技 / 山登り
資格/１級建築士
得意分野 / 狭小住宅、スキップフロア、吹抜、アーチや木のデザイン…and MORE>>
