少し間が空いてしまいました…
前回は、敷地を考えるときの、光のコントロール についてお話しをいたしました。
前回記事 >敷地をよみとく家づくり - 光のコントロール編
2回目の今日は、空気 の流れのコントロールについてのお話しです。
ふたつの空気のコントロール
私たちがコントロールする空気の流れは、ふたつあります。
お外を吹く「空気(風)」と
室内の「家の中の空気」です
実は密接に関係していて切り離せないこの2つの空気ですが、
季節によってもかわりゆくもの。
しっかりと考えないと、この空気の流れが、
「よどみ」を生み、ここちよいとは程遠いお家になってしまいます。
それではまず、ひとつめ、外の空気 つまり 風 のコントロール
1. 風をコントロールする
私たちは、敷地エリアの風向きと近隣の建物の状況から、
この土地にはどんな風が吹いてくるのか?
をデータと現地を調査して、その上で想定しながら
「土地の上での建物の配置」
「室内の間取り(プラン)」
の立案と検討を行います。
過ごしやすくて、そのままでここちよい季節。
春や秋には思い切って窓を開けて。
家の中でもやわらかな風を感じることができる…
というのが、私たちグリーンスタイルが理想とするお住まいのひとつの形でもあります。
(花粉症でお悩みでないお客様には、ぜひ、窓を開けて、素敵な季節に家の中を吹き抜ける風を感じていただきたいです!!)
技1 敷地を読み解き、風が抜ける家の間取りを考える
敷地に吹く風の向きにあわせて、窓から取り込む明かりの計画を阻害しないように風を拾える場所を考えて、家の中を風が吹き抜ける通り道を作ります。
技2 窓の種類を考え、風をピックアップする
取り込みやすい角度や窓の開き方を考えて設置する窓の種類をセレクトしていきます。
一例をあげますと、
風を正面で受けている壁面では広く引違い窓で風を拾うこと。
建物に沿って流れる風は建て滑り出し窓のような羽を広げる形で風をピックアップするわけです。
ときには、わざと外壁が凹凸するように間取りを考えて、風をぶつけ、流れて去ってしまう風を拾い上げ、
室内に取り込みやすいよう、敷地に吹く風の流れを作り直したりもします。
技3 室内で風を動かす
いくら、外からの風を拾い上げる入り口をつくったところで、空気の出口を考えてあげないと風は室内を走り抜けてはくれません。底が塞がった瓶に風は入っていかないものなのです。
入ってきた風をどこに抜くか。間取りをシッカリと考え、ドアの位置と窓の向きを考え直します。
二階から一階へ風が下りてくるようにするのもとても有効ですね。
風は、ここちよさを感じていただくのにも大切なポイントですが、サンルームなどで洗濯物を乾かすときも、日光を当てることより、風を当ててあげることの方が実用的な面でも大切になってきます。
日光が当たるにもかかわらず、風が抜けなければ、サンルームが水蒸気で飽和し、それ以上に洗濯物が乾くことはなく、高温・多湿の状態となり、雑菌が繁殖。「生乾き臭」の原因を生むだけになってしまいます。
2. 空気(風じゃないもの)の動きをコントロールする
二つめは、寒い時期の家の中の空気です。この季節、まだ朝晩は肌寒く感じます。
想像してみてください。。。
暖房の効いたリビングから、トイレに行くときやお風呂に入るとき、
その寒暖差にさむっ!とついつい縮こまってしまいますよね。
そう、家の中にも寒暖差があります。
この差ってここちよくないものです。
私たちはこれをできるだけ感じないように家の中の空気の流れも作ります。
当たり前のことですが、風がなくても、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ動きます。
つまり、家の中で空気の温度差をなくしてあげることができれば、空気はあまり動かなくなります。
すると、よくお話のあるリビング階だと寒い!というお話もなくなりますね。
例えば、2階を明るくしようと大きな窓を設置。そこが冬に冷風吹きすさぶ位置だった場合、
窓がキンキンに冷え、いくら断熱窓とはいっても窓の周辺の空気が冷やされます。
そして、室内の空気が窓を冷却装置として動き始め、1階のリビングに冷たい風が流れるエアフローが生まれてしまうのです。
そのために、一つの窓が室内に与える影響をシッカリと見据えて敷地の状況との兼ね合いを考えるのがたいせつなのです。
3. 敷地に望む。風と空気のコントロール
窓ひとつとっても、敷地と間取りに応じて
明るさを確保するための窓
風を取り込むための窓
その両方の機能を考えた窓
設置する場所によって窓の大きさを考える必要があるのです。
他社様の家も、高気密高断熱仕様ということで、家の中の温度をしっかりとコントロールする仕様になっていると思います。「抜群の省エネ性」なんて、よく耳にします。
グリーンスタイルでは、窓も含めて、給気口から排気口まで、
家の中の空気を予定通り導き、室内の「ここちよさ」に重きを置いています。
省エネ性は当然の機能です。
グリーンスタイルの作る家では
いい季節は、しっかりと季節で変化する
風情ある、光を、風を、緑を
積極的に窓を開けて愉しめることをテーマに。
ここちよさを追求しています。
ちょっとした工夫が家の空気を変え、ここちよさを作り出すものと考え、
グリーンスタイルは家づくりを行っております。
他社様の設計でも構いません。間取りや窓の位置、敷地の様子など、
ご不安におもうことがあれば、グリーンスタイルの設計士に相談してみて下さい。
次回は、
必要な要素3:〇〇のコントロールです。
どうぞ、お楽しみに♪